蛇が女に善悪の智慧の樹の実を食べるように唆した。
女は蛇に「食べると死んでしまう」と伝えたが、蛇は「死ぬことはない。ただ食べると、善悪の一切が分かるようになってしまう」と言った。
女はその実をとって夫にも与えて一緒に食べた。
すると、自分たちが裸であることに気付き、無花果の葉を綴り合せて前垂を作った。
(裸とは羞恥、恐れを意味する)
ヤハウェ神に気付かれ「誰に裸だと言われたのか。君は食べてはいけないと命じておいた樹から実をとって食べたのか」と問われると、女は蛇に唆されたことを伝えた。
ヤハウェ神は蛇にこう言った。「他の全ての生き物よりも呪われる。蛇と女の間に敵対関係をおく」
(敵対関係とは、人と悪との戦いが果てしないことを意味し、「絶望」(死に至る病)に陥らざるを得ぬこと)
更に女にはこう言った。「君は子を産むとき苦しまねばならない。夫は君の支配者となる」
人にはこう言った。「君は妻の声に従い、とってはならない樹から実を食べたのだから、君のために土地は呪われる。君は一生労働をして食を得なくてはならない。そしてついには土へと還るだろう」
人は妻をエバと名付けた。というのは彼女は全ての生けるものの母となったからである。
(エバの由来は「生命」「生ける者」などと関連する)
ヤハウェ神はこう言った。「人は我々と同じように善悪を知った。今度は生命の樹から実をとって食べ、永久に生きるかもしれない」
ヤハウェ神は人をエデンから追い出した。こうして人は土地を耕すようになったのである。
神は人を追い払い、エデンの園の東にケルビムと自転する剣の炎をおき、生命の樹への道を見守らせた。
(ケルビムは半人半獣でヤハウェが乗る暴風の雲の象徴。智天使とも呼ばれる。)
(自転する剣の炎とは稲妻のこと)
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